こんにちは、大阪市の女性社労士 小森ゆかりです。
育児休業期間中の従業員に対して、
会社の側から、予期せぬ事態が発生したので臨時で働いてほしいとか、どうしてもこの人に聞かないと対応できない業務があるとかいうケースはあると思います。
休業中に育児休業給付金を受給していると、こういった場合に働いてもらったら給付金がカットされてしまうのでは?
業務を継続的に行っていると、育休から復帰したとみなされて、給付金が不支給になることもあります。
育休中でも一時的・臨時的な就労は可
恒常的・定期的に就労している場合は、
会社とその従業員とで話し合って合意がある場合、育休中に一時的・
一時的・臨時的な就労とは
就業している日が、1ヶ月につき10日以下(
この、10日以下かどうかをカウントする「1ヶ月」にはちょっと注意が必要なので説明します。
月10日・80時間のカウントの仕方
月10日・80時間をカウントする1ヶ月の期間とは、会社の給与の締め日のことではありません。
毎月1日から31日のことでもありません。
支給単位期間と言って、出産日から決定される、
例えば4/3出産の場合、
産後8週間経過後の5/30から育児休業が始まりますが
この方の場合、支給単位期間は、5/
5/30~6/29、6/30~7/29というふうに。
会社の勤怠や給与の締め日が毎月15日だから
6/16~7/15に10日以内の勤務に抑えればよいというものではありません。
あくまでも支給単位期間ごとに見て、10日以下かどうか、10日を超える場合は80時間以下かどうかをチェックしますので、注意してください。
※育休終了日を含む最後の支給単位期間については、10日以下(10日を超える場合は80時間以下)であるとともに、丸一日休業している日が1日以上あること、という要件が追加になります。
給付金の全額カットと一部減額(同一会社内の場合)
このようにカウントして10日を超えた支給単位期間については、
(別の支給単位期間については、その都度算定します。)
そして基準内の就労だった場合であっても、給付金は支払われた賃金額に応じてカットされることがあります。
・10日かつ80時間超→全額カット
・10日以下または80時間以下→収入に応じて減額あり
①育児休業開始から6ヶ月までの給付金減額パターン
・賃金が休業前賃金(賃金月額)の13%以下の場合
→ 減額なし
・賃金が休業前賃金(賃金月額)の13%超80%未満の場合
→ 一部減額(賃金月額の80%
・賃金が休業前賃金(賃金月額)の80%以上の場合
→ 支給されない
②育児休業開始から6ヶ月経過後の給付金減額パターン
・賃金が休業前賃金(賃金月額)の30%以下の場合
→ 減額なし
・賃金が休業前賃金(賃金月額)の30%超80%未満の場合
→ 一部減額(賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給)
・賃金が休業前賃金(賃金月額)の80%以上の場合
→ 支給されない
※賃金月額とは、育児休業を開始する前6か月間の賃金を180で割った金額に、
支給日数を掛けて算出した額です。
一部減額される部分がちょっとややこしいのですが、
別の言い方をすると、
休業中に働いた分の賃金+給付金 ≦
→ 減額なし
他社での副業の場合
育児休業を取得している会社とは別の会社で一時的・臨時的に副業した場合、
10日以下・80時間以下という就業日数・
雇用保険の被保険者となっていない他社で就業して
ただし支払われた賃金の算定にあたっては、
まとめると、
【同一会社内】
- 10日かつ80時間超→全額カット
- 10日以下または80時間以下→収入に応じて減額あり
【他社での副業】
- 10日かつ80時間超→全額カット
- 10日以下または80時間以下→減額なし(収入額不問)
※出勤日数と出勤時間のわかる出勤簿等の提出が必要です。
注意すること