2022年10月給与計算、雇用保険料率変更のタイミング

社会保険や労務のお話

いよいよ10月から、雇用保険料率のうち、労働者負担分の引き上げが始まります。
給与計算時に、雇用保険料の料率設定の変更を忘れないようにしましょう。

でも給与計算のサイクルは、会社によって締め日・支払い日がまちまち。
私の会社はいつから変更したらよいの??というご質問にお答えします。

2段階の料率変更あり、労働者負担分は10月から変更

雇用保険料率は、令和4年度は2段階に分けて引き上げということで、
今年7月の年度更新の際は、概算保険料を前期(4~9月)と後期(10月~3月)の6ヶ月ずつに分けて計算しなくてはならず、なかなか手間がかかりましたよね。

4月からの1段階目の引き上げでは、事業主負担分のみの引き上げ(下図の赤枠)であり、労働者負担分については変更がなかった(下図の黄枠)ため、給与計算時の対応はありませんでした。

出典:厚生労働省パンフレット「令和4年度雇用保険料率のご案内」より一部抜粋

しかしいよいよ、10月からの2段階目の引き上げでは、労働者負担分についても引き上げされます(下図の黄枠)。

出典:厚生労働省パンフレット「令和4年度雇用保険料率のご案内」より一部抜粋

つまり給与計算する時に、従業員の給与から差し引く雇用保険料の率を変更しなければいけません。

一般の会社(建設業や農林水産業等を除く)の場合、労働者負担は0.3%から0.5%に変更となります。
給与200,000円の場合、600円から1,000円に変更です。

変更するタイミング

それでは具体的に、何月分の給与計算から変更したらよいのでしょうか。

給与がいつ確定しているか、つまり締日が10/1より前か後かで、旧料率か新料率かを判断します。

月末締めが一番わかりやすいでしょうか。
9/1~30締、10/15払の場合は、9/30に支払いが確定しので旧料率
9/16~10/15締、10/31払の場合は、10/15に支払いが確定したので新料率

締め・支払い日のパターン
締日・支払日 旧料率 新料率
末締・翌月15日払 9/1~9/30(10/15払) 10/1~10/31(11/15払)
15日締・当月末日払 8/16~9/15(9/30払) 9/16~10/15(10/31払)
15日締・翌月5日払 8/16~9/15(10/5払) 9/16~10/15(11/5払)
20日締・当月末日払 8/21~9/20(9/30払) 9/21~10/20(10/31払)

支払日がいつかは関係ないのです。
赤字の締日(支払いが確定した日)が、10/1より前か後かがポイントです。

応用編

基本給と残業代とで、支給サイクルが異なる会社さんがあります。
例えば、基本給は10/1~31締、残業手当は9/1~30締、これを合算して10/25払としているケース。

基本給 10/1~10/31 新料率で計算 10/25払
残業手当 9/1~9/30 旧料率で計算

上記のとおり、10/25払の時だけ、旧料率と新料率の両方を駆使して計算します。
支給サイクルごとに締め、基本給には新料率を、残業手当には旧料率を掛け、最後に合算します。

賞与の場合も、考え方は同じ。
賞与の計算期間の締日が10/1より前か後かで判断します。

まとめ

給与計算ソフトをお使いの場合でも、正しい料率が反映されているか確認しましょう。

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