パートから正社員になったときの年次有給休暇の日数

社会保険や労務のお話

こんにちは、大阪市の女性社労士 小森ゆかりです。

アルバイト・パートでも、学生であっても、要件を満たせば年次有給休暇(有給とか年休などと言います)を与えなければならない、という点は浸透してきたのかなあと思うのですが、
じゃあどのタイミングで、何日付与すればよいの?途中でパートから正社員に変わったときはどうするの?という質問をよくいただくので、まとめてみました。

年次有給休暇の付与日数

正社員とかフルタイムの従業員に対しては
入社日から6ヶ月間在籍し、その間の8割以上出勤していれば、10日間の年次有給休暇を与える必要があります。→下記の表(1)

一方、パートやアルバイトの方で、正社員・フルタイムの人よりも勤務日数や時間が少ない人の場合、
週4日以下かつ週30時間未満の場合は、「比例付与と言って、勤務日数や時間に比例して、与える年次有給休暇の日数が異なります。 →下記の表(2)

(週の勤務日数が4日などと決められていなくて変動する場合は、年間216日以下かつ週30時間未満かどうかで見ます。)

出典:厚生労働省ホームページ「リーフレットシリーズ労基法39条」より一部抜粋

例えば、週3日、1日あたり6時間勤務の人は、「週4日以下かつ週30時間未満」なので
上記(2)の表から、5日となります。

週4日、1日あたり8時間勤務の人は、 「週4日以下かつ週30時間未満」 ではないので
原則通りの上記(1)の表から、 10日となります。 正社員と同じ日数ですね。

この日数を、入社6ヶ月経過した日(基準日と言います)に付与します。

例えば、4/1入社の正社員に対しては、その年の10/1を最初の基準日として、10日の年休を与えることになります。

※基準日は、原則は入社6ヶ月経過した日のことを言うのですが、中途入社が多い会社などでは、一人ひとりの入社月に合わせて年休を管理すると非常に煩雑になってしまうため、一律の基準日を定めることがあります。これを斉一(せいいつ)的取扱いと言います。
その場合は、基準日の日付の部分に注意してお読みください。

パートから正社員にかわった時の付与日数

それでは、パートとして入社した従業員が、途中で正社員になった場合、付与日数はどうなるのか。

例えば、令和2年4/1に週4日(1日5時間)で入社したパートさん

     →6ヶ月経過後(令和2年10/1)の付与日数は7日(比例付与)

その後、令和3年4/1に週5日(1日8時間)の正社員に変更

     →1年6ヶ月経過後(令和3年10/1)の付与日数は11日(原則通り)

年休は基準日において発生します(上記の場合は10/1時点)。
基準日において、どのような日数・時間で働いているかで、付与日数が変わってきます。

他にも、パートさんで、週2日勤務だったのが、途中で週4日に変更した、というケースでも、同様に考えればよく、基準日時点で何日勤務なのかで付与日数を見るようにしましょう。

まとめ

年休は、基準日において、その権利が発生するものです。

もし1年の途中で退職することがわかっている従業員についても、日数を減らして与えるようなことはできませんのでご注意を!

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