年度更新について

社会保険や労務のお話

こんにちは、大阪市の社労士さちこです。

社労士業界の繁忙期といえば、6~7月ではないでしょうか。

3~4月は、年度切替の時期なので、入社・退社の手続きが多く発生してなかなか忙しいのですが
6~7月は、労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎届という2つの手続きの締切が7月10日にやってくるので、個人的には年で一番残業の多くなる時期です。

労働保険の年度更新とは

労働保険とは、労災保険+雇用保険のことです。

1年に1回、年度(毎年4月~3月まで)の労災保険料と雇用保険料を確定・精算して、納付する手続きのことです。

毎月、従業員に支払う給与から、保険料や源泉所得税を控除しますが
その控除した保険料については、納める場所も時期も違います。

社会保険料は、控除した保険料+事業主負担分を合わせて、毎月(当月分を翌月末に)日本年金機構に納付し、
労働保険料のうち雇用保険料は、控除した保険料+事業主負担分を、年に1回、7月10日までに労働局へ納付します。
労働保険料のうち労災保険料は、従業員負担が0なので、事業主負担分を、年に1回、7月10日までに労働局へ納付することになります。

ちなみに源泉所得税は、原則翌月10日までに税務署へ納付、10人未満の会社は半年に1回の特例などありますね。

で、今回は労働保険の年度更新についてですが、
従業員を1人でも雇用していれば、この年度更新の手続きが発生します。

雇用保険は、1週の所定労働時間が20時間以上の勤務で、31日以上雇用される見込みの従業員が加入となりますが
労災保険は、加入要件等がなく、すべての従業員に適用されます。
パートも高齢者も外国籍も。

なので、最低でも労災保険料の申告が必要となるため、年度更新の手続きが発生するのです。

確定保険料+概算保険料

労働保険料は、すべて後払いで納付するわけではありません。
まず直近1年間の確定した保険料と、これから先1年間に予想される保険料を計算します。

例えば、これからやってくる令和3年度の年度更新の場合、
①令和2年4月~令和3年3月に支払った給与から控除した保険料(確定)
②令和3年4月~令和4年3月までに支払う予定の給与から計算した保険料(概算)

さらにもうひと手間。
前年度(令和2年度)の年度更新で前払いしておいた②の概算保険料を精算する必要があります。
②はあくまでも仮の保険料なので、1年後に実際に確定してみたら、差額が発生することが多いですよね。

もし令和2年度の概算保険料の方が、令和3年度の確定保険料を超えていたら、その分は令和3年度の納付額から相殺または還付となり、不足していたらその分を納付します。

一般拠出金

一般拠出金とは、石綿(アスベスト)による健康被害者への救済費用として事業主が負担するものです。
アスベストはすべての産業で、その施設・設備・機材等に広く使用されてきたため、アスベストの製造販売等を行ってきた事業主のみならず、すべて労災保険適用事業主が一般拠出金を負担することになりました。

料率は業種を問わず、一律1,000分の0.02です。

まとめ

年度更新の申告と納付の期限は、毎年原則6月1日から7月10日までの間です。
期間内に手続きがされない場合、延滞金が課される場合があります。

お客さまには、前年4月から今年3月までに支払った給与のわかるもの(賃金台帳や給与明細書)のご提出をお願いしております。お早めにご用意いただけるとありがたいです。

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