こんにちは、大阪市の社労士さちこです。
社長が法人を立ち上げました。
設立したばかりで金額は少ないですが、役員報酬も出すことにしました。
従業員はまだいません。
こんな場合でも、代表取締役である社長は、社会保険に加入しなければいけません。
加入しなくてよい、加入できないケース
この場合の社会保険とは、健康保険・介護保険と厚生年金保険のことを言います。
一人社長でも、法人であれば社会保険に強制加入となりますが、下記に当てはまるときは加入できません。
- 役員報酬が0の場合
- そもそも法人ではなく個人事業の場合
また、労災保険・雇用保険については、従業員を雇ったら加入する保険なので、
一人社長の場合はまだ手続きする必要はありません(労災保険の特別加入は除く)。
加入の手続きをしていないとどうなるのか
法人を設立してしばらくすると、年金事務所から、「社会保険への加入はお済ですか?」というような調査票が届きます。
役員報酬がまだ発生していない、すでに手続き中、といった場合は、その旨を記入して返送すればよいのですが、
加入しなければならないことを知らなかった、知っていたけど手続きしていなかった、という場合は、年金事務所で早めに手続きをしましょう。
忙しくてそんな時間はない!よくわからない!という方は、社会保険労務士にご相談ください。
実際の手続き
一人社長が加入する時の、具体的な手続きについてです。
- 新規適用届 (会社として、新規に加入する手続き。最初の1回だけ。)
- 資格取得届 (社長自身の加入手続き。以後、人ごとに発生します。)
- 被扶養者異動届 (社長が扶養する家族がいる場合のみ。以後、人ごとに発生します。)
届出用紙は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
会社の住所を管轄する年金事務所(郵送の場合は事務センターも可)に提出します。
新規適用届
新規適用届は、会社(法人)が社会保険の適用事業所になるための手続きなので、最初の加入者が出るタイミングで、1回限りで提出します。
会社の住所・電話番号・業種・法人番号・適用年月日・代表取締役などの会社情報の他に、
給与計算の締め支払い日・給与形態・手当の種類・従業員数や所定労働時間について記載。
添付書類は3ヶ月以内の登記簿謄本です。
登記上の住所と、会社の住所とが異なる場合は、別途賃貸借契約書などを提出する必要があります。
資格取得届
資格取得届は、一被保険者としての社長個人の加入手続きです。
氏名・生年月日・マイナンバー・取得年月日・役員報酬額などを記載。
今後従業員を雇った場合、加入要件に達していれば、その都度この資格取得届を提出して加入手続きを行います。
被扶養者異動届
被扶養者異動届は、社長に、配偶者や子どもなど被扶養者がいる場合の手続きです。
社長自身の情報+被扶養者になる人の氏名・生年月日・マイナンバー・職業・年間収入額などを記載。
被扶養者がいない場合は、提出の必要はありません。
保険料の徴収と納付
役員報酬や給与の金額により、保険料が決まります。
毎月の役員報酬・給与から、保険料を差し引くのを忘れないようにしましょう。
そして差し引いた保険料は、毎月、日本年金機構に納付する必要があります。
毎月郵送される納付書をもって金融機関で払い込むのは面倒だと思うので、最初に口座振替の手続きをしておくのが便利です。
保険料口座振替納付申出書
元々は3枚複写の用紙ですが、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
会社情報と、希望する金融機関名・支店名・口座番号など記載し、金融機関お届出印を押印して、最寄りの金融機関の窓口へ提出します。
開設している口座の支店でなく、たまたま近くに立ち寄った際の別支店の窓口でも提出することができます。
3枚セットで金融機関に提出すると、受け付け後、3枚目(お客さま用)は控えとして返却され、1枚目(年金事務所用)は年金事務所に転送してくれます。
まとめ
届け出が受理されると、年金事務所から会社控えの通知書が交付されます。
また、協会けんぽから被保険者証が会社宛に届きますので、合わせて確認しましょう。