こんにちは、大阪市の女性社労士 小森ゆかりです。
健康診断の季節ですね。今年は受診されましたか?
私は数年前に婦人科検診で要再検査となって以来、慎重になりました。
普段は風邪やインフルエンザなどかからない丈夫な方だと思うのですが、それとこれとは別のようです。
幸い、婦人科系の方はその後の検査は特に問題なく、でもそれ以来こまめに検査するようになり、一応経過観察を続けているところです。
年1回の健康診断については、
協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入している会社の場合、健診費用の一部が補助されます。
(健保組合などにも、それぞれ補助があると思いますのでご確認ください。)
健診の申込み方がよくわからないというクライアントさんがちらほらいらっしゃいましたので、改めてご案内します。
健康診断のいろいろ
健康診断についてネットで調べると、定期健康診断とか、一般健康診断とか、生活習慣病予防健診などと色々な言い方がされていてちょっと混乱するかもしれません。
簡単に言うと、
一般健康診断というグループの中に、定期健康診断という種類があり、それを協会けんぽでは「生活習慣病予防健診」と呼んでいます。
協会けんぽから「生活習慣病予防健診」についてのお知らせが届いたら、「ああ、年1回の健診のことね」と思っていただいたらよいと思います。
これがわかりづらいようで、お知らせをスルーされてしまうことがあります💦
まず原則として、労働安全衛生法により、従業員に対する健診の実施が、事業主に義務付けられています。会社主導で従業員に受診させましょう。
そして会社が行う健康診断には大きく2種類あり、一般健康診断と特殊健康診断です。
特殊健康診断は、一定の有害業務(有機溶剤業務・鉛業務・高圧室内業務又は潜水業務・放射線業務など)に従事する従業員を対象にするものなので、ここでは触れないでおきます。
一般健康診断の種類
種 類 | 対象労働者 | 実施時期 |
雇入れ時の健康診断 | 常時使用する労働者 | 雇入れの際 |
定期健康診断 | 常時使用する労働者 | 1年以内ごとに1回 |
特定業務従事者の健康診断 |
特定業務(深夜業など)に 常時使用する労働者 |
特定業務への配置替えの際・ 6ヶ月以内ごとに1回 |
海外派遣労働者の健康診断 | 海外に6ヶ月以上派遣する労働者 | 海外に派遣する際・ 帰国後国内業務に就かせる際 |
給食従業員の検便 | 事業所附属の食堂または炊事場に おける給食業務に従事する労働者 |
雇入れの際・配置替えの際 |
この中の「定期健康診断」が、年1回実施しなければならない今回の健診のことです。
時期については、繁忙期を避けるなど、会社ごとに決めてOKです。
対象者
対象者は「常時使用する労働者」。
有期契約の労働者であっても、1年以上の雇用見込みがある場合は対象です。
またパート・アルバイトの場合は、無期雇用または1年以上の雇用見込みがある有期契約であって、かつ週の労働時間が正社員の4分の3以上ある人は対象となります。
費用の負担
健診にかかる費用については、健診自体が会社に義務付けられたものなので、会社が全額負担します。
(後ほど補助についてご説明します。)
受診時間の扱い
健診を受けている時間中の賃金に関して、会社に支払い義務まではありません。
私は以前勤務していた会社で、始業9時30分のところ、8時30分に健診開始で病院に集合したりしていましたが、早出残業手当の支払いなどはありませんでしたね。
逆に13時00分から健診開始の場合でも、その時間分の給与をカットされるようなこともありませんでした。
ここは労使間の協議により取り決めればよいとされています。
協会けんぽの補助「生活習慣病予防健診」
冒頭に書いたように、協会けんぽに加入している会社の場合は、一人につき 年1回(4月~3月)に限り、健診費用の一部が補助されます。
対象者は、その年度において35歳~74歳までの被保険者、
最も高い場合で自己負担額7,169円で、一般健診を受けることができます。
(協会けんぽが最大で11,000円程度補助してくれて、この自己負担額になっています。)
その他、年齢や性別によっては、乳がん検診・子宮頸がん検診・付加健診など追加することもできます。
手配の仕方・補助の受け方
健保組合などでは、一ヶ所に集まっての集団検診や、複数の健診機関の中から個人ごとに予約をとって受診などの方法がありますが、今回は、協会けんぽ加入の小規模会社の申込み方法についてです。
① 毎年3月頃に、協会けんぽ(全国健康保険協会)から会社宛てに、健診対象者一覧表・健診実施機関一覧表・健診の手引きが届く
冒頭の画像は大阪バージョン。
紛失してしまったら、協会けんぽに電話すれば再発行してもらえます。
(紛失したまま健診受診を進めても特に支障はありませんが。)
しつこいようですが「生活習慣病予防検診」というのは、年1回の定期健康診断のことです。
同封の健診対象者一覧表には、1月時点での加入者しか記載されていませんが、その後に加入した方でも、35歳~74歳までであれば対象になりますので、手書きで付け加えてOKです。
35歳未満・75歳以上の方については、補助は出ないので、全額会社負担で受診させることになります。
② 社長や健診担当者から、直接、お好きな健診実施機関に連絡して予約する
協会けんぽに連絡や報告などする必要はありません。
健診実施機関とは、協会けんぽの補助を受けられる病院や健診専門機関のことです。同封された一覧表や、協会けんぽのHPからも検索できます。
健診機関によって費用や混雑具合など異なりますので、比較してみたらよいと思います。
会社近くのクリニック等で全員一括して予約する以外にも、例えば自宅付近の病院で受診してもらうこともできます。
会社が大阪で、自宅が京都の場合、京都(健診実施機関であれば)で受診することも可能なわけです。
予約や費用の支払いは別々に行う必要がありますけどね。
連絡する際、「協会けんぽの補助を受けて健康診断を受診したいのですが」と申し出てください。
相手側の健診機関はこういった対応に慣れているので、あとはスムーズに話が進むと思います。
被保険者証に記載されている記号・番号・保険者番号・氏名・生年月日・健診予定日などを聞かれるか、リストで提出を求められます。
③ 受診日までに問診票・検査キット等が届く
④ 各自で健診受診
⑤ 健診結果受け取り・費用の支払い
各自で窓口支払い、健診前払い、健診後に一括して支払いなど、健診実施機関からの請求方法はいろいろありますので、各自交渉してください。
まとめ
健康診断の受診は、会社に課された罰則付きの義務です(50万円以下の罰金)。
万一労災事故が発生した時に、会社で健診を受診させていなかったことが判明すると、安全配慮義務違反を問われかねません。
毎年欠かさず受診させるようにしましょう!
深夜業従事者についての健康診断についてはこちらもどうぞ。